2017年02月03日
1.先月の講義内容の振り返り
2.「振り返り」レポートと
課題図書 『バカの壁』 読後リポート、『木鶏』リポートについて
3.講義
4.論語
5.次月までの課題について
「倫理観」とは、正しいことをやりましょう、ということです。
「空間的倫理観」という言葉があります。
これは、たとえば昔の日本の社会では、扉に鍵を掛けない、
他人の家に自由に入っていける、
入っていっても他人の家のものを勝手に持っていかない、
持っていかれる心配もない、という状況が成立していました。
これは空間的倫理観がしっかりしていた、
空間的倫理観が存在していたということなんです。
「時間的倫理観」とは...
単に「時間を無駄にしない」というところから、
さらに踏み込んで考えます。
人生を時間にして計算すると、
1日24時間×365日×寿命で、
その人間の一生、人生の時間が割り出せます。
時間とは、その人間の持つ命の時間です。
たとえば、他人の時間を無駄にするというのは、
その他人の命の時間を奪っている、ということです。
ですので、相手の時間はもちろんのこと、
自分の時間も大切に扱いましょう、
時間管理をしっかりしましょう、ということなんです。
実際、成果を上げておられる方を拝見していると、
どなたも時間の管理をしっかりとなさっています。
北野武さんがこういう内容のお話をなさっていました。
今の若い子たちのダメなところは、プロセスから逃げているところ。
たとえば、グーグルアースで、エベレスト頂上からの景色を検索して、
それでエベレスト頂上からの景色を見た気になって満足している。
そこにはエベレストに登頂するというプロセスが欠落している。
しかし本当のところは、エベレスト頂上までの登頂プロセス、
大変な困難を乗り越えたうえエベレスト頂上まで登ったという
このプロセスこそが大事なのであって、
その登頂プロセスがエベレスト頂上からの景色に意味を持たせているんだ。
『木鶏』という言葉について調べていただいたのは、
前回課題図書の中村天風さんの教え
「いろいろな感情に振り回されるのは良くないことですよ」
ということを受けてお願いしたものです。
決して、泣いちゃダメですよ、怒っちゃダメですよ、ということではありません。
人間生きていれば、いろいろな感情が湧きあがってくるものです。
大事なことは、いちいち湧きあがってくる感情に振り回されていてはいけませんよ、
ということなんです。
私がこれまでお会いして「この方、凄い方だなぁ」と感じる人物というのは、
泰然自若という言葉がありますが、まさにその言葉どおり、どっしり構えておられます。
人間的に成長して、凄い人物になっていくと、感情というものを表に出さないことが
できるようになっていきます。
そういう人物というのは、何が起こったとしても、決して空威張りではなく、
堂々となさっておられます。
私が大切だと思うところ、皆さんに読んでいただきたいところは...つぎの3点です。
① > 常識 コモンセンスとは、簡単にいえば「誰が考えてもそうでしょ」ということです。
つまり、世間の8割9割の人が「それは、そうだよね。」というのが常識だということです。
② > 楽をしたくなると、どうしても出来るだけ脳の中の係数を固定化したくなる。
> aを固定してしまう。それは一元論の方が楽で、思考停止状態が一番気持ちいいから。
人間は自己否定をするから生きていける、と言えます。
それは、我々人間の細胞が日々新しくなっていることを見ても然りです。
自分を否定することは生きていくということ。
新しいことをやりたくないというのは楽をしたいから。
しかし、新しいことをやっていけないと生き残ってはいけません。
たとえば、若い頃、剛速球でならした投手が、
プロ野球人生を歩むなかで、技巧派投手になっていく。
これも自己否定ができたからこそ、
厳しいプロ野球の世界で生き残っていっている例だと言えます。
若い頃は「ボールは、スピードがすべてだ!」と思っていた投手が
年齢を重ね、球速が落ちていくと、
球速だけではダメだということに気づいて、
つまり、自己を否定して、
球速以外のところでバッターと勝負をしていく、
こうしたプロセスがあるわけです。
③ > バカの壁というのは、ある種、一元論に起因するという面があるわけです。
> バカにとっては、壁の内側だけが世界で、向こう側が見えない。
> 向こう側が存在しているということすら、わかっていなかったりする。
自分の見えていることだけがすべてだと思っていたり、
思い込もうとする人は「バカ」だということです。
自分の見えていないことが世の中にはたくさんある、
自分の知っている世界の向こう側に知らない世界があることを認め、
それを見ようとする姿勢が必要です。
例えるなら、西遊記にてお釈迦様の掌の中を飛んでいる孫悟空のエビソード、
あのイメージです。
子供であれば、いわゆる食わず嫌いでバカの壁を作っていたとしても、
「ちょっと食べてみたら?」で、バカの壁を取り払うこともできるのですが、
大人になって壁を打ち破るには、信頼関係というものが重要になってくると思います。
信頼している相手の言うことを聞く
~この「聞く」とは、「行動を起こせるか起こせないか」ということ~ のは、
その相手=発言者への信頼があるかどうか、によるのだろうと思います。
リーダーはこうした信頼を寄せてもらえる人間をどれだけ増やしていくかです。
そして『類は友を呼ぶ』と言います。
自分から見ていて「ああ、この人は凄いなぁ」と思える人が周りにいるかどうか?
バカの壁を打ち破っている人達とお付き合いができているかどうか?
それが、あなた自身が成長しているかどうかを反映している、
あなた自身がバカの壁を打ち破っているかどうかを反映している
と言えるのではないでしょうか。
皆さんが社会人として社会に出た頃と現在とでは、
世の中の状況が変わってきていると思います。
会社組織は人の集まりです。
組織の内で働く人が変わらないと組織も変わっていきません。
働く人の意識自体、昔と今とでは変わってきています。
たとえば、社会経済環境の変化にともない、法の整備や厳罰化が進んでいます。
それにともなって権利主張をする人も増え、
企業は、常に労働問題リスクにさらされている状況があります。
こうした組織の状況は、前向きに仕事に打ち込みたい人にとっては、
逆に窮屈な、働きにくい世の中になっている一面もあると思います。
そうした組織をリーダーは率いていかないといけない大変さがあります。
今まで以上に、リーダーが自身の力をより高めていくことが求められています。
逆にこれからは、リーダー自身が魅力ある人物でなければ、
その組織には人材が残らなくなっていくでしょう。
企業は「環境適応業」だと言われます。
中小企業は、システム面・設備面では大手に到底適いません。
中小企業は、信頼関係や人間関係をベースに仕事をしていかないと
生き残っていくことは厳しいでしょう。
人に関することがきっちりできる人間、
バカの壁を打ち破り自己否定ができる人間、
ものごとを柔軟に考えることができる人間に変わっていくこと
(=進化していくこと)が大事です。
特に、顧客と直接接点を持つ人、顧客との接点の多い人、
つまり、現場に近い人間が変わっていくことが大事です。
たとえば、高級な羊羹として有名な「とらや」さん。
実は「とらや」というのは京都発祥、京都で創業した和菓子屋さん、企業です。
今も京都御所のほど近くに直営店舗があります。
とらやは、東京遷都にともなって、
御所御用の菓子司として東京へ進出されたわけなんです。
そして、東京という土地に環境適応していった。
それは今の時代でも決して簡単でないこと、
当時のとらやの企業努力は想像に難くないことです。
「学而篇」
子曰く、学びて時にこれを習う、また説ばしからずや。
朋あり遠方より来たる。また楽しからずや。
人知らずして慍みず、また君子ならずや。
有子曰く、その人と為りや、孝弟にして、上を犯すを好むものは鮮なし。
上を犯すを好まずして、乱を作すを好むものは、未だこれあらざるなり。
君子は本を努む。本立ちて道生ず。孝弟は、それ仁の本なるか。
子曰く、巧言令色、鮮なし仁。
< 論語を通してお伝えしたいポイント >
è 反復して学習することが重要です。
これは「守破離」の「守」だと言えるでしょう。
è 価値観を同じくする人たちとの触れ会い、お付き合いすることへの喜び。
『お客様は神様です』は、大阪万博のテーマソングを歌った
三波春夫さんがおっしゃったフレーズとして有名です。
この『神様』とは、決して「お金を払ってくださる方」という意味で
使われたのではなく、
「自分のところに足を運んでくださる方」という意味があります。
「世界の皆さん、ようこそ大阪万博にいらっしゃいました」
「自分のところに足を運んでくださる方は神様です」という意味が
込められているのです。
ミッション(mission)と言いますが、
これには「キリスト教を布教しに赴く」という意味があります。
キリスト教には、自ら(赴いて)教えを伝えにいく、
という考えがあるんですね。
è 他人から認められない、
他人が自分のことを理解してくれないからといって、
他人様・世間のせいにするのではなく、
自分のために自分を磨くことができる人間になりましょう。
è 両親を尊敬し兄を敬う人に、
目上の人に対して逆らい反発する人は居ません(人の見分け方)。
è 言葉を飾る、お世辞を言う、上辺だけ媚を売る人、面従腹背する人は、
人間愛がなく他人のことを考えていません(人の見分け方)。
ご上司に報告書を提出し面談のうえ、サインをいただいてください。
この報告書の目的は「上司とコミュニケーションを取っていだだくこと」です。
究光塾開催の翌週の月曜日を最終納期でお願いいたします。
(1月30日まで)
3日以内の送信をお願いいたします。
① 本日の内容から得たこと
② 先月の『本日の参加により取り組むと決めたこと』の振り返り
③ 今月の参加により取り組むと決めたこと
④ その他(必須)
5W1Hをベースに、具体的な記述としてください。
具体的な目標設定が具体的な行動を生みます。
提出期限は、2月19日(日曜日)でお願いいたします。
課題図書を活用した「課題と解決策の検討」に取り組んでください。
今回、課題図書は設定しません。
これまでに4冊の課題図書をご指定し、本をお読みいただき、
読後リポートを作成していただきました。
この4冊は、私(講師 中村)がお話しすることのベースをご理解いただくために、
最低限、必要だと考えて選定したものです。
再度、この課題図書をお読みいただく機会をもつため、
課題図書を活用した「課題と解決策の検討」に取り組んでください。
折角読んでいただいた書籍の内容を無駄にしないことが、
この課題に取り組んでいただく目的です。
具体的には、3冊の課題図書1冊につき、3つの課題を設定してください。
都合、9つの課題が設定されることになります。
1つの課題につき、
①課題、
②実行方法、
③達成手段、
④目的、
⑤期日
を明確にしてください。
課題として設定した内容のもととなった課題図書内の文章を
抽出・抜粋してください。
課題として設定した理由を明確にしてください。
課題の表現は、肯定的なものにしてください、
かつ具体的なものにしてください。
「頑張ります」は具体的ではありません。
期日になったときに、振り返りができる、
振り返って「どこが良かった、悪かったか」の評価ができる、
最終的に課題達成に行きつくために、
一回で達成できなくても二回、三回チャレンジして達成できるように、
見直しをかけていける内容としてください。
振り返りのできない課題は「やる気のない」課題だとみなします。
次回、第六回究光塾へ続く...