究光塾リポート

第三回 究光塾リポート 

2016年11月30日

<第三回 究光塾 全体の流れ>

 

1.先月の講義内容の振り返り 

2.「振り返りレポート」と課題図書 『道は開ける』 読後リポートについて 

3.講義

4.論語

5.次月までの課題について

 

1.先月の講義内容の振り返り(+α)

 

本勉強会に限ったことではありませんが、

講師の中村は、大切なことは、繰り返し繰り返し、その表現のしかたや、

たとえ話や、事例も変えながら、お伝えおります。

 

今月の究光塾においても、先月、お伝えした内容を振り返りながら、

プラスアルファ、先月とは違った観点からのお話をさせていただきました。

 

◆ 「マネジメント」の目的は、経営諸資源

  (ヒト・モノ・カネ・時間・情報等...)の有効活用です。

「マネジメント」の目的は、

 経営諸資源(ヒト・モノ・カネ・時間・情報等...)の有効活用です。

「マネジメント」の対象は、

 人を通じての成果、目標達成です。

 

たとえば、コンビニでペンを買って100円支払いました。

この100円は、どこに分配されていくでしょう?...

それは、たとえば、ペンの仕入業者への仕入代金であったり、

コンビニの店員の人件費であったり...etc.

 

では、ペンの仕入業者に支払われたお金は、どこに分配されていくのでしょう?...

それは、たとえば、ペンの製造メーカーへの支払であったり、

仕入業者で働く人の人件費であったり...etc.

 

では、ペンの製造メーカーに支払われたお金は、どこに分配されていくのでしょう?...

たとえば、原材料の代金であったり、製造設備であったり、

製造メーカーで働く人の人件費であったり...etc.

 

このように細分化していくと、必ず各段階で人件費に分配されています、

すべて「人」に行きつくわけです。

何のために経済活動をしているかと言えば、それは、

そこに関わる「人」のためだと言えます。

 

ですので、「ヒト」にスポットを当てない限り、

マネジメントについて考えることはできないということなのです。

 

ただし、人工知能が急激な発達を遂げているこの時代、

今はまだ、人工知能にも「人」が関与していますが、

将来、人工知能が人工知能を造るような時代が来るようなことになると、

いったい、どうなるのでしょうね?

 

機械は人間のように文句を言いません、残業代払えとも言いません、

36協定、ブラック企業... 関係ないわけなんです。

 

労働人口減少にともなって、どんどん人のやっていたことが

機械に代替されていきます。

機械で代替できるような仕事は無くなっていく、

人間にしかできない仕事しか残っていかない。

 

われわれは、人間にしかできないレベルの仕事をできるようになっていかないと

生き残っていけない、と言えるのではないでしょうか?

 

2.「振り返りレポート」と

  課題図書『道は開ける』 読後リポートについて

 

究光塾では、毎月終了後、受講者の皆様に「振り返りレポート」を作成いただき、

講師の中村はもちろんのこと、他の受講者にも配信し、共有していただいております。

また、毎月の課題図書のレポートについても、受講者同士で共有していただいたうえ、

相互フィードバック(他のメンバーのレポートを読み感想・コメントをつけていただく)を

行っていただいています。

受講者の皆さんに、多様な「視座」をお持ちいただくことを目的としています。

もちろん、そのやり取りについては、講師の中村はすべてに目を通していて、

必要に応じて、テーマとして取り上げ、お話をさせていただいています。

 

◆  「他者基準」と「自己基準」について

前回の課題図書『自分づくりと人育ての法則』の中で、

私(中村)が「他者基準」ではなく「自己基準」こそ重要です。

「自己基準を持ってください」とお伝えしているのは、こういうことです。

他者基準(他者から受ける評価というフィードバック)は確かに重要なものです。

人間には「他人から褒められたい、認められたい」という欲求が確かにあります。

『マズローの欲求5段階説(欲求階層論)』という有名な理論があるように、

他人から認められることが動機づけになることは、どの学者も説いていることです。

ここで、私(中村)がお伝えしたいのは、

他者から受ける評価を目当てにするあまり、

他人から評価を得られなければ頑張れないということに、

リーダーたる皆様方には陥っていただきたくないということです。

他者基準(他人からの評価云々)ではなく、そこから一歩抜け出して、

自己基準(自分の中で設定した基準)に照らして

自分で自分を動機づけすることを目指していただきたい、ということです。

 

◆ 劣等感コンプレックス、優越感コンプレックス

  に陥らないようにしてください。

 

劣等感コンプレックス、優越感コンプレックスに注意が必要です。

こういう言葉を紹介しましょう。

 

「短を捨て長を取れば、即ち以って万方の略に通づべし」

(漢書 芸文志)

例えば、本を読んだとしても単に批評したり、批判的に読むのではなく、

プラスになることを自分に取り入れていただくことが大切です。

 

「上見て暮らすな、下見て暮らせ」

(江戸時代の士農工商制度から生まれた思考)

自分が常に優位に事を運べるポジションを無意識に探すようになってしまう、

向上心が長続きしない大きな理由だと考えられています。

 

「賢者は愚者からも学ぶが、その逆はない」

ダメな人(愚者)というのは、

賢者に対しても批判だけで終わってしまって、

賢者からも学ぼうとしません。

「人 皆 我が師」(吉川英治)

という言葉もあります。

自分が変わることによって手に入るものには貪欲になってください。

 

 

◆  「学ぶとは 考えるとは 守破離」

日本の学校教育においては、誰かがつくった答えが存在していて、

その答えを求めること、その答えに行きつくことを「学ぶ」と言っている

ところがあるように感じます。

答えのないことを「考える」ということが大切です。

社会に出て、ビジネスにおいて、果たしてお客様が答えを持っているでしょうか?

 

お客様も明確な答えは持っていません。

だからこそ、我々は、お客様に対して提案をしていくわけです。

お客様にご提示するべく、答えのないことを何度も繰り返し、

自分の頭で考えていくわけです。

 

「守破離」の「守」とは、「真似ること」とお伝えしましたが、

真似することとが目的・ゴールになると真似すらできずに終わります。

なぜかと言えば、自分の頭で考えていないからです。

できるまで徹底的にやらずに(徹底的に真似ずに)

途中で自分の都合の悪いことはやらなくなってしまうからです。

つぎの段階「破」を目指さない「守」は単なるパクリにしかなりません。

 

◆ 「言葉」の大切さについて

 

「考える」ためには「言葉」が大切です。

人間は必ず「言葉」を使って思考しているわけですから...

 

たとえば、子供に英語の英才教育を施したがる方がいらっしゃいますが、

これは親のエゴのように思えてなりません。

まずは「母国語」をきちんと使えるようになることが何より大切です。

なぜなら、人間は「言葉」を使って思考する、

その使用する言葉とは、皆、「母国語」だからです。

母国語でものごとを考えられない人は思考が深まることはありません。

 

「論理的」とか「ロジック」の語源は、

「ロゴス」つまり「言葉」であります。

我々は「言葉」を積み上げて、他人にものごとを伝えています。

「言葉」に発することによって、

一つ一つのものごとに区切りをつけていっているわけです。

 

自分で使っている言葉が明確になっていないと

他人には伝えることはできません。

 

たとえば、凄い研究者ほど、分かり易い言葉、平易な言葉を使って、

自分の研究していることを他人に伝えることをされますよね。

 

「言葉」は相手に伝えるために使うものだからです。

逆に、分かっていない人ほど、自分の思考の浅さがバレナイように、

難しい言葉を使って相手を煙に巻こうとします。

 

たとえば、「徹底する」... 

計画書などでよく目にする言葉です。

一人ひとり、「徹底」のレベルは違います。

どこまでやれば徹底したことになるのか、相手にも伝わりませんし、

自分でも明確に説明が付けられないでしょう。

 

ですから、最低でも、目標や課題といったものは、

5W1Hを明確にして表現するようにしましょう。

 

◆   「意識」とは

皆さんの振り返りレポートを拝見していると、

「意識する」という言葉をよく目にします。

 

「意識する」「意識を変える」の「意識」とは?

「意識する」を他人に対してどのように説明されるでしょうか?

 

私は「意識する」とは「目的を考える」、

「意識を変える」とは「目的を変える」と

言い換えることができると考えています。

つまり、「何のためにやるのか、を考えてみてください」と

お伝えしています。

 

 

3.今月の講義内容(抜粋)

◆  「企業とは」 

企業が存続するためには、買ってくれる顧客が存在すること。

コミュニケーションが、相手(聞き手)があって成立するのと同じです。 

 

企業とは「環境適応業」である。 

※ 環境適応の事例として...

  赤福の事例、

  明治カールの事例、

  などをお話させていただきました。

 

特に、赤福や明治カールのように

見た目を変えずに永く売れ続けることは実は凄いことなんです。

生き残るために、変えること・変えないことを決めていくことが大事です。

 

◆ 事業の目的とは「顧客を創造」すること。

  (P・F・ドラッカー)

 

マーケティングとイノベーションのみが、企業の基本的機能である。

それ以外は「コスト」にすぎない。

ただし、マーケティングもイノベーションも、

それによって顧客の状況を変える成果を出せていないのであれば、

その「マーケティング」「イノベーション」は「コスト」にすぎない。

と、ドラッガーは述べています。

 

◆  「マーケティング」とは

「マーケティング」とは、

企業としてどのような顧客ニーズに対応するかを考えること。

 

「販売戦略」とは、

対象顧客に対してどのように売上を向上させるかという

問題解決のための戦略。

 

「販売という機能を無くすことが、マーケティングの理想である」

(P・F・ドラッカー)

 

「営業」とは、情報を集めることであり、

上記の「マーケティング」と「販売」をつなぐ活動です。

 

 「マーケティング」とは製品・サービスのできる前にやること。

「販売」とは製品・サービスができた後にやること。

(フィリップ・コトラー)

 

ニーズを明確にする 

 → ウォンツを明確にする 

  → 需要を明確にする・需要をはかる

   (どんな人に買ってもらいたいのか? 自社の顧客とみなすべき群を見つけだす)、

そうしてマーケティングができる。

 

◆ 「イノベーション」とは

 

「イノベーション」に対して、

まったく何もないところから何かを生み出すイメージ

を抱いている人がいらっしゃいますが...

 

元々存在しているものを繋ぎ合わせて、

新しいものを生み出すことがイノベーションです。

 

今、存在しているものを強化しても

イノベーションにはなりません。

 

今、存在しているものに何かを加えて

新しいものを生み出すことがイノベーションです。

 

また、今、うまく行っていることから何かをやめること、

これもイノベーションだと言われています。

ただし、顧客の役に立つこと、

顧客に買ってもらえることが前提です。

 

4.論語 今月の講義内容(抜粋)

 

◆ 「論」とは、道理・道筋に従って説き計ること。

  「語」とは、対話の意味。

  「論語」は、孔子が言ったことをその弟子がまとめたものです。

 

◆「論語」の目指したもの

 「修己治人」「修己安人」「君子」

 

「修己」とは、自分を磨く、高める、徳を高めること

 を指しています。

 これは、リーダーの成長プロセスでいうところの、

 「リード・ザ・セルフ」だと言えるでしょう。

 

「治人」とは、人を治めることです。

 

「安人」とは、人に安心感を与えることです。

 世のため人のためになることだと言えるでしょう。

 

「君子」とは、紳士(ジェントルマン)、徳のある人のことです。

 

◆ 「四書五経」とは

  儒教の経典で重要な9種の書物のこと。

 「四書」とは、「大学」「中庸」「論語」「孟子」。

 「五経」とは、「詩経」「書経」「礼記」「易経」「春秋」。

 

◆「徳」とは、人の信頼を得る力。

 「仁」とは、人間愛、ウォームハート、

  人のために何かをさせていただくこと。

 「仁」が最重要とされています。

 「智」とは、洞察力、理解力、判断力。

 「勇」とは、勇気、やり抜く力、決断力。

 「信」とは、約束したことを守る、決めたことを守る力。

 「寛」とは、器・度量・器量の大きさ。寛容さ、寛大さ、包容力。

                 相手に関心を持つ、相手の意見に耳を傾けること。

  「礼」とは、社会生活の規範。

  「義」とは、正しい道。

 

5. 次月までの課題について

 

▼ 「報告書」について

ご上司に報告書を提出し面談のうえ、ご上司のサインをいただいてください。

この報告書の目的は「上司とコミュニケーションを取っていだだくこと」です。

究光塾開催の翌週の月曜日を最終納期でお願いいたします。

(12月5日まで)

 

▼ 「振り返り」レポートについて

 全メンバーにメール送信してください。

 3日以内の送信をお願いいたします。

 ① 本日の内容から得たこと

 ② 前回の 『本日の参加により取り組むと決めたこと』 の振り返り

 ③ 今月の参加により取り組むと決めたこと

 ④ その他 

 5W1Hをベースに、具体的な記述としてください。

 具体的な目標設定が具体的な行動を生みます。

 

▼ 「次回までの課題」について

課題書籍は、『君に成功を贈る』(中村天風)です。

提出期日は、12月11日(日曜日)でお願いいたします。

 

次月 第四回究光塾に続く...

前のページに戻る