2016年10月31日
1.先月の講義内容の振り返り
2.講義
3.課題図書 『自分づくりと人育ての法則』 読後リポートのフィードバック
4.次月までの課題について
本勉強会に限ったことではありませんが、
講師の中村は、大切なことは、繰り返し繰り返し、その表現のしかたや、
たとえ話や、事例も変えながら、お伝えおります。
「コンプレックス」と「劣等感」の違いとは・・・
コンプレックス(倒錯とも言いますが...)は、
ものごとを真っ直ぐに見ずに、斜めから見る姿勢です。
コンプレックスを持つと、人は、できない理由・やらない理由探しを始めます。
コンプレックスによって行動を止めてしまうことが一番ダメなことです。
一方、劣等感を持つ人は、自分の現状を素直に、かつ、前向きに捉えて、
「じゃあ、どう行動していていこうか?」を考えることに繋がります。
「自己を肯定することが大事だ。」と言われていますが、
人間というのは楽な方向に流れていくものです。
自己肯定が、コンプレックスに繋がっていかないように注意してください。
「自己を受容すること」=自分の現状を受け入れる姿勢が望ましいでしょう。
特に、 「優越性コンプレックス」には注意が必要です。
優越感コンプレックスとは、簡単に言うと、『俺はやったらできるけど、やらないだけ...』
というものです。
これは、自分が傷つきたくない人、自己防衛意識が強い人が陥りがちです。
注意してください。
これに加えて、「論拠・根拠を明確にして、話をするようにしてください。」
リーダーは自分の発する言葉に責任を持つことが重要です。
知らないことを認めましょう。
無知であることがバレないようにと、予防線を張るのは止めましょう。
「自分には知らないことがたくさんあるんだろうな...」と思えば、
知らないことが見えてきます。
たとえば、「大所高所からものごとを見る」のは良いことですが、
「上から目線」になってしまうと良くありません。
ものごとには、何事も、両面(良し悪し)があるものです。
いろんな視座、多くの視座を持つことが大事です。
今回、読後リポートをメンバー間で共有していただきました。
その目的の一つは、
他人の視座を知ってもらうため、多くの視座を持ってもらうためです。
『ある状況下で行使されるもので、コミュニケーションの手段を通じて、
特定の目標に向けられた対人間(たいじんかん)の影響力』でした。
プラスのリーダーシップ(影響力)もあれば、
マイナスのリーダーシップ(影響力)もあります。
そして、影響力ということで考えれば、上下関係だけに限定されるものでもない
ということがお分かりいただけるでしょう。
上から下への影響力だけではなく、下から上への影響力、横への影響力、
影響力は360度に及ぶものです。
諸資源を活用して効率的かつ有効的にものごとを行う一連の活動プロセスのことです。
「諸資源」とは...ヒト、モノ、カネ、時間、情報、ネットワークなど
「効率性」とは...最小のインプットで、最大の成果を創出することを指しています。
「有効性」とは...事業や業務の目的を達成する程度を指しています。
つまり、マネジメントとは、
「インプットを最小にするために、無理矢理でも、コストを削減して...」
ということではないのです。
マネジメントは、諸資源のムダを無くすための活動だということです。
たとえば、カイゼンで有名なトヨタさんの基本的な考え方として、
「手待ち時間をなくす」という考えがあります。
これは、すなわち、「人の動きのムダをなくす」ということ。
人に関わる費用、人件費こそ、もっとも重要なものだと
世界のトヨタも捉えている、と言えるでしょう。
コミュニケーションを手段として使うことによって
影響力を発揮してメンバーに動いてもらうこと。
組織に一体感を持たせるために、リーダーは方向性を指し示して、
メンバーみんなに、同じ方向を向いてもらうことが必要です。
したがって、「マネジメント」と「リーダーシップ」を考えるにあたり、
リーダーシップの伴わないマネジメントほど罪が重いものはないのです。
たとえば、リーダーシップのない人間が、カネだけに着目して、
ムダを無くそうとマネジメントを行うと、会社はおかしなことになってしまいます。
時間軸で考えると...
「処理」とは、「過去から現在の時間軸」の枠組みで考えられます。
つまり、起こってしまったことへの対応のこと。
たとえば、「ゴミ処理」という言葉からは、
散らかったゴミを片付けることや、その処分の仕方についてイメージができます。
一方、「管理」とは、「現在から未来への時間軸」の枠組みで考えられます。
つまり、先を考えて、今、何をするか? を考えること。
たとえば、「ゴミ管理」と言うと、
ゴミが風やカラスの仕業により、散らからないよう網を掛ける、
といったイメージができるでしょう。
つまり、「管理者」「管理職」とは、
先々のことを考える人のことを指しているのです。
また、「管理」を英語表記にすると、「マネジメント」になります。
つまり、「マネジメント」とは、先々のことを考えて、
諸資源のムダを省いていくことだと考えられます。
やみくもに、何から何までムダだと捉えるのではなく、
将来を見据えたうえで、今はあえて諸資源を投入していくという考え方も、
マネジメントなのです。
さらに、「マネジメント」の語源には、
「人をやる気にさせる」という意味合いもあるようです。
「マネジメント」」とは、決して『重箱の隅をつつく』ような行為ではないのです。
マネジメントの目的とは、資源の有効活用です。
マネジメントの方法とは、マネジメントサイクル(P・D・C・A)を循環させることです。
マネジメントの対象とは、人を通じて、成果や目標を達成することです。
サービスとコストなど、二律背反の関係にあるものに
優先順位を与えて、現場に実行をうながすこと。
何をやって何をやらないか、を決めていくこともリーダーシップです。
小倉昌男氏は、「中途半端が一番ダメですよ」と説いているのだと考えます。
ただし、この際に大切なことは、サービスもコストも、どちらも徹底的に追求したうえで、
自社はどうするかを判断し決定することです。
その過程は、生半可な企業努力ではないことは間違いありません。
『悪貨は良貨を駆逐する』という故事から、
『ルーチンな仕事はノンルーチンな仕事を駆逐する』ということを導き出されました。
人間は目の前にやらないといけない仕事を山積みされると、
長期的な計画について考えなくなってしまいます。
目先のことばかりに気を取られていると、意思決定や行動も遅くなってしまうのです。
管理者が目先のことばかりに気を取られていて、
果たして、その組織に未来はあるでしょうか?
そして、未来のために、今、何をするかが大事です。
ラグビー 五郎丸選手の意識を変えた指導者の言葉を紹介しておきましょう。
『過去は変えられるか? 未来は変えられるか?
変えられるのは今だけだ。今やらないと未来は変わらない。』
好成績を上げているリーダーは、
部下の管理のみでなく上司の管理も重要なことを認識しています。
まずは、「修(守)」、すなわち、師匠や先生を真似ることから入ります。
ただし、見かけだけをどれだけ真似てもダメです。
それは、所詮は、猿真似にしかなりません。
自分にとって都合の良いことだけを真似るというのも、「修(守)」ではありません。
師匠や先生のすべてを完璧に真似ることです。
その意図や目的を理解して真似ることができてはじめて、
本当の意味での「修(守)」となるのです。
イチローは、毎日寸分違わず同じ動き(ルーチン)をしているそうです。
イチローは、すべてを完璧にコントロールしているのです。
これがイチローの凄さの一つでもあります。
このルーチンにより、イチローは、日々の体調の変化、違いに気づくことができるのです。
善・悪の言葉の成り立ちは、古代ギリシャにまでさかのぼるようです。
本来の意味としては、自分にとって都合が「善いか」「悪いか」ということのようです。
したがって、周囲、第三者から見れば「悪い」ことでも、
本人は、「自分にとって、これは善いことだ」と思い、
人は行動を起こしているということです。
たとえば、良い例ではありませんが、「人を殺める」という行為は、
世間、周囲、第三者から見れば、当然「悪い」ことですが、
追い詰められた本人は、「自分に残された方法はこれしかない」と都合よく考え、
「人を殺めることは自分にとって善いことだ」と思っている、と考えると
説明が付くところがあります。
また、「あばたもえくぼということわざがあるように、
人間は、「先に結論があって(結論を決めていて)、後からその理由を探していく」
こういう思考プロセスを持っているそうです。
そのように考えると、稲盛和夫氏の言葉 「動機善なりや、私心なかりしか」
これは「善」について、自分にとって都合の良い「善」ではないか、
「私心」が入っていないか、を問い直している言葉だと読むことができると思います。
軍隊用語から来ている言葉で、
決まっていた作戦を実行に移さなかったことの方が罪が重いということを示しています。
何も行動しないことが一番良くありません。
行動すれば、良い結果にせよ、悪い結果にせよ、何かしら結果が出ます。
それは、良い結果にたどり着くためのチャンスを得たと言えるのです。
行動を起こさなければ、そのチャンスを手にすることもできないままです。
「失敗したら会社に迷惑を掛けるから...」と言って行動しない人がいらっしゃいますが、
それは、やらないことの理由探しをしているに過ぎません。
失敗して自分が傷つくことを恐れている、
自分が傷つきたくないという告白でしかありません。
本勉強会の目的は「知行合一」です。
お願いする課題も、求める水準も、高い内容となっております。
受講者はどなたも、ご多用な方ばかりですが、
各課題にお取組みいただくことをお願いしました。
ご上司に報告書を提出し面談のうえ、ご上司のサインをいただいてください。
この報告書の目的は「上司とコミュニケーションを取っていだだくこと」です。
究光塾開催の翌週の月曜日を最終納期でお願いいたします。
① 本日の内容から得たこと
② 今月の参加により取り組むと決めたこと
③ その他
を全メンバーにメール送信してください。
前回同様、3日以内の送信をお願いいたします。
なお、今回分の「振り返り」からは、
④ 前回の『本日の参加により取り組むと決めたこと』の振り返り
を追加してください。
また、皆さんの前回分の『本日の参加により取り組むと決めたこと』の内容を
拝見しておりますと、これは「決意表明」であったり「願望」といった内容ですよね、
というものが多いように見受けられます。
本勉強会に、こうして、ご参加いただいている皆さんの「決意」の固さや
強い「願望」は十分感じております。
従って、『取り組むと決めたこと』の記述は、具体的な内容にまで落とし込んでください。
具体的な内容でなければ、振り返りができません。
具体的な内容とは、できたのか?できなかったのか?を振り返ることができる記述、
評価することができる記述である、ということです。
具体的な記述とするためには、5W1Hをベースに設定していただくと具体的になります。
5W1Hとは、
いつ(When)、
どこで(Where)、
だれが(Who)、
なにを(What)、
なぜ(Why)、
どのように(How)
もちろん、すべての内容が5W1Hを完全に網羅できるものばかりではないでしょうが、
たとえば「いつ(いつまでに)」「なにを」「どのように」といった内容が明確な目標設定は、
後から振り返り、評価をすることができます。
後から振り返り、評価ができるような目標設定をお願いいたします。
課題書籍は、『道は開ける』(デール・カーネギー)です。
読後レポート提出期限は、11/21(月)でお願いいたします。
次回 第三回究光塾へ続く...